【育児】木登りを通してできる経験と2つの伸びる能力
2週間前はまだまだ寒かったのに、ここ数日すっかり暖かくなってきました。
暖かいというよりいきなり夏日和です。
暖かくなると、お外遊びができるので良いですよね。
公園で走り回って遊ぶ子供達の姿がとてもイキイキしていて楽しそうで、その姿を見ていると、こちらまで嬉しくなってきます。
ところで、子供の頃って木登りをしましたか?
最近では、木登りをする子供の姿はあまり見なくなってしまいましたよね。
日本のネット上でも、「公園で木登りしても大丈夫でしょうか?」という質問を見かけました。ドイツでも、木登りをした経験がある子供は2人に1人しかいないという現状に警鐘が鳴らされています。
長男君は木登りが大好き。
公園で木を見つけるとすぐによじ登って、しかも写真を撮らされます(笑)
落ちないかと不安な母ですが、止めても降りてきてくれないし、なんか頭にも良いって聞いたことあるな〜と思って、いつも固唾を飲んで見守っています。
木登りはなぜ子供の発達にとって大切なのでしょう?なんとなく良いとは知っているけど、何が良いのかうやむやだったので調べてみました!
そこで今回は、木登りを通して出来る経験や、伸びる能力などについてまとめてみたいと思います。
木登りを通してできる経験って何?
高い所に登る事は、常に落ちるかもしれないという危険と隣り合わせ。
子供は直感的にこの挑戦に取り組みます。
自分の限界を知る事、そして今まで達成できなかったことを木登りを通して達成できるという事は、子供にとってワクワクする楽しい事。
落ちたら怖い、でも登りたいという揺れる思いがあるからこそ、木登りは子供にとってとても魅力のあるものなんでしょうね。そして、出来ないとオロオロするのではなく、自分でどうにかしようという経験ができるんですね。
また、枝から枝へ渡っていく時、大人に命令されるのではなく、自分で自分の行動を判断しますよね。なので、木登りを通して、
- 自己責任を持つ
- 自分の限界を知る
- 次にくる行動を察知する
といった、今だけではなく将来においても大切になってくる貴重な経験ができるんですって。
木登りは固有覚を伸ばす運動
裸足での駆けっこや片足で立つことと同様に木登りは、固有覚を伸ばす運動とされています。
これら固有覚を伸ばす運動は、運動機能だけではなく知能の発達を促すとされ、また身体意識とバランス感覚も高めてくれるんですって。
固有覚って何?
固有覚とは、固有受容覚や深部感覚などとも呼ばれます。
関節,筋,腱の動きによって起こる感覚の事。
また、
- 体の様々な部分の位置や動き
- 運動の状態
- 筋肉への力の入れ具合
- 関節の曲がり具合
- 体に加わる抵抗や重量
を感知する感覚の事。
そして、自分の体がどこからどこまでなのかを自覚して、思い通りに動かせるようにするために必要な感覚なんですね。
普段はあまり意識する事はないけれど、筋力や関節に関係しているので、体や手足をどの様に動かすかなど、私達が大きく依存する大切な感覚なようです。
また、固有覚が発達しているから、力の加減もコントロールできるんですね。
この感覚に偏りがあると、
- 動きがぎこちない
- 行動ががさつ
- 物を乱暴に扱う
といった行動がみられるようです。
また、
- 三輪車がこげない
- 自転車に上手く乗れない
- ブランコをうまくこげない
- 鉄棒で逆上がりができない
などの運動の不器用さにも関係してくるんだそう。
なので、幼少期から固有覚を伸ばす事は大切なんですね。
どうして木登りが固有覚を伸ばすの?そして、知能の発達に効果があるの?
木登りをするには、複雑に入り組んだ枝という自然のものに対して、危険か安全か、状況に応じて瞬時に判断しないといけない場面が多いですよね。そして、自分の手と足が今どこにあるのかをきちんと意識して、次はどこに伸ばせばいいのかを理解しなくてはいけません。さらに、枝や梁の上でバランスを保たなければいけないですよね。
なので、木登りを通して手足をどの様に動かすかなどに関わる感覚である固有覚が磨かれるんですって。
そして、木を登っていくには、どこに手を伸ばすか、どの枝に渡っていくのか、まだ登れるのか、もう登れないのかといった様に自分で決定することが沢山ありますよね。
木登りを通して無意識にしているこの様な総合的な判断が、知能の発達を促しているんですって。
木登りで作業記憶をアップ
固有覚を伸ばす運動は、作業記憶、つまり人間の記憶力にとって重要な能力にとても効果的であるとされているんだとか。
作業記憶における固有覚の効果について研究していた米ノースフロリダ大学の研究チームは、『木登りは、裸足での駆けっこと同様、日常的に使う作業記憶を50%アップさせる』と発表したそうです。
研究チームは、18~59歳を対象に、教えられた数字を逆の順番に覚えていくという作業記憶のテストを行いました。木登りや裸足で走り回ったり、平均台の上を歩いたりなどの運動をする前後にこのテストを実施したところ、運動の2時間後のテストで作業記憶が50%もアップしているという驚くべく結果が出たのです。
ヨガでも効果を実験した様ですが、効果は見られなかったんですって。
作業記憶って何?
作業記憶または作動記憶とは,短い時間に心の中で情報を保持し,同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き,計算などの基礎となる,私たちの日常生活や学習を支える重要な能力です。
引用元:https://home.hiroshima-u.ac.jp/hama8/working_memory.html
脳の前頭前野の働きの一つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力の事です。
そして、何か目的を持って作業をしているときに使用している一時的な記憶機能の事。
私達の行動や判断に影響し、私達の日常に深く関係している機能のようです。
例えば、
- お釣りの計算、暗算など、頭の中で数字を描きながら計算する時
- 会話の内容を踏まえて、理解しながら次の言葉を発する時
- 料理の手順を考えて調理する時
などに作業記憶が使われているんだとか。
さらに、仕事や学習、感情のコントロール、目標達成や計画の立案など、さまざな活動の基礎となっている様です。
作業記憶が弱いと、
- 忘れ物が多い
- 文章を理解するのに時間がかかる
- 文章を書くことが苦手
- 会話の受け答えがちぐはぐする
- 運動音痴
などといった困りごとが起こってしまうんだとか。
まとめ
昔は誰もがしていた木登り。
色々な効果もあるけれど、子供にとっては
- 自分で高い所に登れたという達成感
- 大人から邪魔されない木の上での自分の世界
- 木の上からの眺め
など、地上では味わえないものがあるからこそ魅力的なんでしょうね。
最近は木登りは危なくて不安だからさせない、という親が増えている様です。
でも、子供にとっては魅力一杯の木登り。
心配でハラハラしながらも見守れる様になれると良いですね。
木登りを通して「色んな能力を伸ばしているんだ」、「色んな経験をしているんだ」と思えば、止めるのではなく見守る事が少し容易になるかもしれません。
木登りってして良いの?と悩んでいるママにとって、少しでもお役に立てれば嬉しいです♪
今日もストレスレスな1日になります様に☆