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ドイツの小学校の算数。モンテソーリー流?ドイツ式?な計算方法が難しい…

長男君は今年の夏から小学校3年生。

 

ドイツでは、小学校3年生から日本でいう通知表が付けられます。正式にいうと1年生でも2年生でも通知表はあるのですが、日本の小学校の通知表の様に「大変よくできました」「できました」「頑張りましょう」みたいな感じの5段階評価で、日本の中学校の通知表の様に1~10段階評価はされません。

 

しかし、小学校3年生になると1~5段階評価に変わり、「三年生になると通知表の評価が大切になるよ~。」と言われます。それもそのはず、小学校は4年生で終了するドイツでは、小学校4年生の冬休み明けには5年生から通う学校を決める、つまり将来の分かれ道が決まってしまう進路を決めることになるのです。ちなみにドイツでは1が一番良い評価で、1を取れる子供はほんの一握りです。

 

そして、通知表の評価が大切になる小学校3年生から、いわゆる本格的なテストが行われます。2年生でもあったのですが、テストと呼ばずにクイズと呼んでいました。(モンテソーリーを取り入れた小学校なので、当小学校特有かも知れません。)そんな中、長男君が先日、近々初めての算数のテストが行われるということで、テストの予行演習みたいなプリントをもらってきました。

 

日頃下の2人に手を追われ、あまりみてあげられない長男君のお勉強。しかし、テスト前ということもあり、とりあえずテストの予行演習のプリントを一緒に見てみることに。そしたら、親の私の方が戸惑ってしまいました。

 

今回は、そんなモンテソーリー流?ドイツ式?な足し算と掛け算について書いてみたいと思います。

 

ドイツ式?な足し算

例えば、

36+47=83

という足し算は、皆さんならどう計算されますか?

 

簡単なので暗算もできますが、日本式なら

   36

+ 47

   83

という風に筆算を使いませんか?筆算は、日本では2年生から習うのでしょうか?

 

それが、ドイツ式(?)だと、三年生になっても筆算は使わず、

 

36+47

36+4+40+3

=40+43

=83

という風に計算するのです。この計算方法を分解すると、

 

① 前の数字を10の位の数字を1の位が0になる様に足し算を作る。

→36+4

 

② 後ろの数字の10の位の数字を足す(40)。

 

③ ①で足した1の位(4)を足して、後ろの数字の1の位の数字(7)になる数字(3)を足す。

②と③で、→40+3

 

④ ①で求めた数字40と②③で求めた数字43を足したら答えが出る。

→40+43=83


筆算を習っていないので、筆算を教えるわけにもいかず… 幸い長男君は算数は得意な方で、問題なくこの方法で答えを導き出していたのですが、この計算方法をみて戸惑ったのは母である私。一瞬何をやっているのか分からず、何度も何度も目を凝らしてやっとこさ理解はできたのですが、この方式で足し算をする様にと言われるといまだに戸惑います。

 

実際、筆算をよーく見てよーく考えてみたら、ドイツ式な計算方法になるんですけどね…

 

ドイツ式(?)な掛け算

ドイツの小学校。算数

掛け算の九九は日本では小学校2年生で暗記でしょうか?

 

ドイツでも小学校2年生の終了間際で掛け算を少し習う様です。そして、三年生でも引き続き掛け算を習うのですが、今のところ暗記はしていません。暗記するのは、Kernaufgabe(重要な九九の段?=簡単な暗記しやすい九九の段)と呼ばれる、1、2、5、10の段。そして、その他の段はこのKernaufgabeと呼ばれる4つの段を使って計算する様です。

 

例えば、7x8=56は、

7x10=80

7x2=14

80-14=56

といった風に計算します。

 

① 8を10として7x10とします。10の段、つまりKernaufgabeの段を使って計算します。

→暗算ができる。

 

② 10-8=2。①で2多く計算したので、7x2を計算します。2の段、こちらもKernaufgabeの段を使って計算します。→暗算ができる。

 

③ ①から②を引いて、答えを導きます。


Kernaufgabeを使うので、簡単に計算できるでしょ?ということの様ですが、簡単ですか~!?

 

暗記すれば一瞬で答えが出るところを、

 

  • Kernaufgabeが何かを理解しないといけない。
  • 足し算・引き算をしないといけない。

 

という2つの課題が増えるんですよ~。

 

ドイツの算数は…

「筆算で足し算したら簡単なのに…」

「九九を暗記したら簡単なのに…」

 

とブツブツいう私を傍らに、小学校でこんな風に算数を学んでいると知って非常に関心しているのは理系の旦那さん。旦那さん曰く、上記の方法で足し算・掛け算を学ぶ事で、算数の本質を学ぶ事ができるんだとか。そして、「考える力」が養われるのだとか。


算数が超得意ではなかったけれど、不得意でもなかった私は、九九の計算や簡単な暗算なら理系頭の旦那さんより早くできたりします。しかし、足し算の概念や本質を聞かれると???になり、旦那さんが計算の過程から見えてくる数の概念などを色々と説明してくれるものの、頭の中はチンプンカンプン。

 

要するに、息子が教わっている計算方法は、今は頭を悩ませるかもしれないけれど、自然と数の概念を理解できる方法であり、考える力を養う方法になっているのだそう。

 

確かに、子供時代に教わった計算方法や九九は、暗記だけしてとりあえずできるようになったけど、数の概念など根本的なところは何も教わらず、理解せずに大人になってしまったのかもしれません。私だけかも知れませんが…

 

それでも、数学を大学で専攻して勉強する以外に、その概念を理解することは必要なのか?社会に出ても、簡単な計算ができて、暗算ができればいいんじゃないか?と思うのは、バカの遠吠えなのでしょうか?

 

ちなみに、ドイツ人ママ・パパも計算の仕方が昔とは違いすぎて教えられないと言っていました。先生からも、昔とは教え方が違うので下手に家庭で教えないで下さい、と忠告されました。

 

なので、あまり口は出さず、できる範囲で長男君の手助けができれば…とドイツ語も手助けできない外国人の母は、なんとなく無力に思いながらも、子供の能力を信じて、旦那さんの力を信じて乗り切っていこうと思うのでした。

 

と同時に、子供が勉強でつまづいた時、少しでも力になれる様に、一緒に学べる様に、それくらいのドイツ語力を身につけなければと、今更ながらに焦るのでした…


今日もストレスレスな一日になります様に☆