少子化対策?日本では幼児教育の無償化が決定。ドイツでも進めているけど、まだまだです。
最近、隣町が保育料を2019年には無料にする、というニュースをラジオで耳にしました。そしてついに日本でも、2019年10月から無償化の具体策が決定したのだとか。
友達の住んでいる町は無料だとか、他の隣町も3歳以降は無料だとか聞くけれど、ドイツ全体ではどうなっているのだろうと調べてみました。ということで、今回は日本とドイツの保育園無償化への実状についてまとめてみたいと思います。
日本での保育園無償化の対象や上限は?
幼児教育・保育無償化の対象や上限
- 認可保育園・幼稚園、認定こども園に通う3~5歳児
- 保育の必要性の認定事由に該当する家庭 ➡︎ 共働き家庭やシングルで働いている家庭
- 幼稚園は月額上限25,700円が無償。
- 幼稚園の預かり保育は、無償化上限25,700円を含めて、月額上限37,000円まで無償。つまり、11,300円まで預かり保育を無償で利用可能。
認可外保育施設の利用の場合は?
- 共働き等で保育が必要と認定された家庭に対して、月額上限37,000円の補助。
- ただし、認可外保育施設が自治体の福祉保健局などへ届け出を出し、指導監督の基準を満たしている施設を利用している場合のみ。
- 2019年10月から5年間は、指導監督の基準を満たしていない認可外保育施設利用でも無償化の対象。
0~2歳児は?
- 住民税非課税世帯が無償化の対象。
ドイツの保育園無償化の動き
ドイツは、州によって政策が異なります。各州の動きは下記の通りです。
(参考元:Wo die Kita kostenlos ist – und wo nicht)
Baden-Württemberg
保育料は幼稚園ごとに決定。州としては無料~年収等に応じて決定できるように規定。その規定を利用して、大都市Heilbronnでは2008年以降3歳児に対して無料化。州としての完全無料化は現時点では予定なし。
Bayern
無料化の計画はなし。2018年9月から1歳、2歳児の子供に対して、Familiengeldとして毎月250ユーロ、3人目以降は300ユーロの支給を実施。保育園に預けようが預けまいが関係なく支給。いかにも保守的なBayernらしい。
Berlin
2018年8月から完全無料化を実施した初の州。
2007年から段階的な無料化を実施。
Brandenburg
2018年8月から、年長組は無料。昼食は有料。長い目では無料化を進めるが、現時点では具体的な時期についての言及はなし。
Bremen
2019年から3歳以上の子供に対して、8時間までの託児を無料化。現時点で、56%が何らかの理由で保育料を支払っていない。1~3歳までの託児と昼食は有料。2022年から完全無料になる見通し。
Hamburg
2014年8月から昼食も含め、0歳児から5時間までの託児が無料。5時間以上の託児については有料。
Hessen
2018年8月より3歳以上の子供に対して、6時間までの託児が無料化。6時間以上の託児については有料。昼食は有料。
Mecklenburg-Vorpommern
2012年8月より段階的に無料化を実施。2020年には完全無料化になる見通し。
Niedersachsen
2018年8月から3歳以上の子供に対して、8時間までの託児が無料化。昼食は有料。
Nordrhein Westfalen
2011年から年長組は無料。2006年以降、保育料は自治体が決定。兄弟に対しては、無料もしくは減額の自治体が多い。将来的には無料化を視野に入れている。
2019年1月新情報: 2020年夏から年中組・年長組は無料となる事が決定!残念ながら、完全無料化は計画されていない様ですが…
Rheinland-Pfalz
2007年から無料化を段階的に始めた初の州。2010年から州立の幼稚園に通う2歳以上の託児に対して、基本的に無料。2歳以下は年収に応じた保育料。1~3歳児が通う保育児に対しては、現時点では無料化はないが、将来的には2歳以上の全ての子供に無料化を計画。
Saarland
年長組は6時間までの託児に対して、無料か減額。2019年8月から、3段階に分けて減額予定。
Sachsen
減額や無料化は現時点では予定なし。保育料は年収に応じて。片親、子供の多い人は減額など。三分の一の子供に対して、少年局(Jugendamt)が支払っているという現状。
Sachsen-Anhalt
2019年1月より一人目にのみ保育料の支払い。2013年からは二人目に対して減額、三人目は無料。
Schleswig-Holstein
Kita-Geldとして3歳以下に100Euro 。2020年までに保育料下げる、もしくは無料にする予定で動いている。
Thüringen
年長組は10時間までの託児に対して、2018年1月1日より無料。その他は年収に応じて。将来的に無料にする方向で動いている。
まとめ
ドイツの保育園の無償化については、州によって異なったり、さらには自治体によって異なったり。4〜5年通わせることを考えると、「やはり無料の自治体に住みたいな〜。」と思ってしまいます。
そして保育料は、日本でも現行は所得に応じて決定されている様ですが、私の住む町でも所得に応じて決定され、3歳以下の保育料ははっきり言ってとても高い!ドイツの所得は、額面は結構良くても、税金や社会税などをガボーーーーっと取られるので手取り給与は本当に寂しくなるんです。もちろん日本の様なボーナス制度もなく… ボーナス払いなんてできないのです。
そして保育料は、当然の如く額面で査定されます。なので、私の時短での職場復帰によって頂くお給料は、保育料と交通費へ消えていくという始末。かといって、保育料無料の隣町に引っ越す事もできず。
少子化は、ドイツでも日本でも共通の社会問題。3児の母となり、最近は特に長男君の習い事や食事の量が増えてきたことを考えると、「子供はお金がかかる」を身をもって感じています。幼児教育の無償化が、少子化ストップに歯止めをかけるとは決して思いません。幼児教育は長い子育て期間のほんの一部でしかありませんから。それでも、我が家の様に無償化によって少しでも負担が減ると助かる家庭は多いはず。私の住む町での保育料無償化、さらにはドイツ全土での無償化実現を切に望む次第です。
今日もストレスレスな1日になります様に☆
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