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ドイツのカーニバル。定番お菓子「ベルリーナー」の発祥説3つと呼び名5つ。

クリスマスが過ぎてホッとしているのも束の間、ドイツでの次の大行事はカーニバル。2019年は2月28日がWeiberfastnacht(Altweiber)で、この日から6日間、カーニバルのお祭りが行われます。

 

ドイツでも季節ごとに様々な行事があり、地域によってはカーニバルは、クリスマスに次ぐ一大イベント。ドイツ三大カーニバルと呼ばれるケルン、マインツ、デュッセルドルフ。これらの近郊都市に住む我が家でも、当然子供達が盛り上がっています。

 

カーニバルの時期になると、パン屋さんには様々な種類の揚げドーナツ『ベルリーナー』がお目見え。そこで今日は、カーニバルの定番お菓子『ベルリーナ』についてまとめてみたいと思います。

 

ベルリーナーの3つの有名な発祥説

ベルリーナの発祥説は沢山あるようです。

 

1番有名なのは…

時は、1756年に遡り、元々は砲兵だったパティシエが作ったとされています。砲兵としての技量がなかった彼は、フリードリッヒ二世のお菓子を作るという任命を与えられます。そして、何か特別な事をしたかった彼は、砲兵にちなんで『食べられる砲弾』を作ってみることにしたのです。そして、オーブンがなかったことから、揚げる事に。揚げ終わった後には粉砂糖をまぶして出来上がり。

 

このパティシエは、ベルリン出身だったことから、お菓子の名前を『ベルリーナ』と名付けたとされています。

 

別名『クラープフェン(Krapfen)』と呼ばれるのは…

400年前、ウィーン出身のお役所のコックだったCäcilie Krapf が初めに作ったというもの。憤慨して見習いに投げたイースト生地が、偶然にも油の入ったお鍋に入り、『クラープフェン』が誕生したらしいのです。彼女は自分のお店で甘くてフルーティーなフィリングを詰めて、チリクーゲル(Chilikugel)として売っていたとされています。

 

名前は、彼女の名前Krapfからとって『クラープフェン(Krapfen)』とされたのだそうです。

 

ローマ時代や中世にも

2000年前、ローマ時代にもすでに小さい丸い揚げドーナツを食べていたとされています。揚げた後は、蜂蜜に漬け、ケシの実がまぶされていました。そして、当時の名前は『グロブリ(Globuli)』。しかし、この揚げドーナツがベルリーナの元祖となるのかは謎。同じような揚げドーナツは、現在でもイタリアで食べられるようで、Bomboloniと言うのだそう。

 

そして、中世では『クラープフン(Craphun)』として修道院の食卓に並んでいました。断食が重んじられた当時は、バターや卵、脂等を早い時期から消費する必要がありました。そして、脂っこい、でも栄養価の高いクラープフェンを食べる事で、修道士は厳しい断食に備えたということです。

 

呼び名は地域によって違う ー 5つの呼び名: Berliner, Krapfen, Knaeppel, Faschingskrapfen & Pfannkuchen

私の住んでいる地域では、この揚げパンを『ベルリーナ』と呼びます。なので、『ベルリーナ』が全国共通の呼び名だと思っていました。しかし、色々と呼び名があるようで、『ベルリーナ』の呼び名マップを見つけました!

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引用元:

Berliner, Krapfen, Pfannkuchen: Verwirrend süß | ZEITmagazin


 

『クラプフェン』と聞くと、Rosinen Krapfen(レーズン入り揚げパン)を想像してしまいます⬇︎。

ドイツカーニバルの定番お菓子ベルリーナ

 

『ベルリーナー』のカロリーはとても高い…

『ベルリーナ』のカロリーは、『ベルリーナ』によく似たミスタードーナツのエンゼルクリームの204kcal、カスタードクリームの216kcalに匹敵。中のクリームやジャム、アイシングやチョコのデコレーション、まぶされた粉砂糖などによって変わりますが、200kcalからなんと400kcalにも達する『ベルリーナ』のカロリー。

 

1つのベルリーナのカロリーを消費するには、かの有名なケルン大聖堂の南の塔に登る際の階段『533段』を往復するくらいの運動が必要らしい。2回登ったことありますが、かなりきついです…当時は若かった。

 

こんなにカローリーが高いのに、ぺろっと1つ食べられるからこれまた怖い…

 

元祖ベルリーナは?

ドイツカーニバルの定番お菓子ベルリーナ

(普段は木苺?ジャム入りをよく見かけます。杏ジャム入りはあまり見かけないかも…)

 

チョコレートやティラミス、さらにはエッグリキュールといったアルコール入りのクリームが入っていたり、プラムやイチゴジャムが入っていたりするけれど、元祖ベルリーナは、杏ジャム(Marillenmarmelade)入り。

 

クリームやジャムのフィリングは揚げた後に、大きな注射器で注入されます。

 

ちなみにドイツ語で杏は「Aprikose(アプリコーゼ)」。しかし、オーストリアでは「Aprikose」とは言わず、「Marille(マリーレ)」と呼ばれます。ベルリーナのフィリングについて書かれた記事を見ると、AprikosemarmeladeではなくMarillenmarmeladeと出てくるのは、クラープヘンの発祥説によるのかも知れませんね。

 

まとめ

四旬節と呼ばれる復活祭までの約6週間。この期間は断食期間となります。そして、断食に入る前に一杯食べて楽しもう!というのがカーニバル(謝肉祭)。

 

断食期間は、肉・卵・乳製品・砂糖が禁じられているので、断食前に卵・牛乳・砂糖・バターをたっぷり含むベルリーナが、カーニバル時期の定番お菓子になったのも頷けますね。

 

毎年、カーニバルの時期は異なりますが、カーニバル時期にドイツへ訪れる際は、パン屋さんに是非寄って、カーニバル時期の名物お菓子『ベルリーナ』を味わってみませんか?

 

ふんわり軽い、そしてカロリーいっぱいの甘〜い揚げドーナツに、種類も豊富ということもあって虜になってしまうかも知れませんが、悪しからず♡

 

今日もストレスレスな一日になります様に☆