ドイツの道端でよく見かける実は毒性があって危険な可愛いお花10選。
春から夏にかけて道端に可愛いお花が咲き始め、心もなんだかウキウキする今日この頃。
ドイツには日本ではお庭やベランダで観賞用として育てるであろうお花が、道端でも咲いていたりします。そして、子供達は何も考えずに「可愛い〜」と言いながら、お花を摘んで私にプレゼントしてくれたりします。
ある日、「ちょっと待って!このお花毒あるよ!」と教えてくれたのは、長男君。ご近所さんのお庭から顔を出して可愛く咲いていたジギタリスを摘もうとしていた娘ちゃんに向かって注意してくれました。
都会ではないけれど、田舎でもない大阪のとある町で生まれ育った母の私は、このお花は見たことあるな〜というくらいで、ジギタリスという名前も知らなければ、毒があるということも知りませんでした。ここでもまたお恥ずかしい
長男君は、お庭をリフォームする前に我が家のお庭にもジギタリスが咲いていたので、自然のことをよく知っているお義母さんに「毒がある」と教えてもらっていたようです。
ドイツの道端でよく見かける他のお花についても毒があるのか調べてみたら、出てくる出てくる。そこで今回は、身近で見かける毒があるお花についてまとめてみたいと思います。
毒のある可愛いお花10選
『綺麗な花には棘がある』と言われるように、本当に「可愛い花には毒がある」んです。今まで何気に摘んだり、飾ったりしていたお花にも毒性があるようで驚きです。
イヌサフラン (Herbstzeitlose)
- 毒性: アルカロイドのコルヒチン
- 症状: 嘔吐、下痢、皮膚の知覚撃退、呼吸困難、重症の場合は死亡することがある。
球根は玉ねぎやジャガイモに、葉はギボウシやギョウジャニンニクに似ています。
球根が出回る秋には、玉ねぎ、じゃがいも、ニンニクとの誤飲が発生しています。
子供が手の届くところには置かないようにしましょう。
ジギタリス(別名 フォックスグローブ(キツネのテブクロ)) (Fingerhüte)
- 毒性:ジギトキシン
- 症状: 胃腸障害、嘔吐、下痢、不整脈、頭痛、めまい、視覚異常、重症の場合は死亡することがある。
有毒成分のジギトキシンは、とくに葉に多く含まれます。
観賞用としてお庭にも栽培されますが、一部は野生化しています。
クリスマスローズ (Christrosen,Schneerosen)
- 毒性: ヘレブリン
- 症状: 嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、呼吸麻痺、めまい、心拍数の低下、心停止
- 毒性:ラクンクリン
- 症状: 水ぶくれ、痒み
クリスマスローズという可愛い呼び名は最近ついたもので、学名はヘレボルス。
ギリシャ語のHelenin (殺す)とbora (食べ物)の二つの合成語から発生していて、『殺す食べ物』という意味を持っています。
根は食べると死に至る猛毒です。
葉や茎、花から出る汁に触れると、皮膚がただれたり、水ぶくれや痒みの症状が現れます。
子供や飼っている犬や猫が間違って食べてしまうと、中毒症状が出る場合があるので、お庭で栽培する場合やお家で観賞用に飾る場合も注意が必要です。
スズラン (Maiglöckchen)
- 毒性:コンバラトキシン、コンバロサイド、コンバラトキソール、コンバラリン、コンバラマリン、ロデアサポゲニン、セリドニン酸
- 症状: 嘔吐、頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺、重症の場合は死亡することがある。
毒性は想像以上に高く、致死量は青酸カリの15倍。
毒は全草に含まれ、特に花と根に多く含まれています。
肌の弱い方や子供は素手で触れるのは控えた方が良いです。
ドイツでは、スズランが咲き始める4~5月にマルクト等で売られていたりします。
香りも楽しめ、観賞用にとても可愛いスズランですが、 スズランを生けていた花瓶の水を気付かず飲んでしまったドイツの女の子が死亡するという事故が起こっています。また、スズランの赤い実を食べて死亡するという事故も多数発生しているようです。
アネモネ (Kronen-Anemone)
- 毒性: プロトアネモニン
- 症状: 胃腸のただれ、炎症、皮膚炎、水泡、化膿
全草に毒があります。
茎を切ったり折ったりするときに出る汁に触れると症状が発症する可能性があるので、直接触れるときは素手ではなくゴム手袋をすることが必要です。
可愛いアネモネを道端で見るとつい、摘み取りたくなりますね。
娘ちゃんも摘もうとしていました。気をつけたいですね。
チューリップ (Tulpe)
- 毒性: ツリパリンA、チューリッピン、ツリピン
- 症状: かぶれ、皮膚炎、嘔吐、血圧降下、呼吸困難
球根にツリパリンA、花にチューリッピン、全草にツリピンという有毒成分が含まれています。
花壇にもよく植えられていることから、チューリップに触れただけでは毒性は示すことはなく、普段の生活では特に問題にはならない程の弱い毒性とされています。ただし、チューリップの球根を触ったりした後は必ず手洗いをしましょう。
スイセン (Narzisse)
- 毒性: リコリン、シュウ酸カルシウム
- 症状:嘔吐・下痢・頭痛・皮膚炎
全草に毒がありますが、特に球根に毒があります。
花の少ない時期から花を咲かせるため、まだ肌寒いイースターの季節にはスイセンが飾られます。葉がニラ、球根がタマネギに間違えられて、誤食の事故が発生しているようです。
山芋や里芋に触れるとかゆみが発症することがありますが、これは毒性の1つであるシュウ酸カルシウムが微量に含まれている為です。スイセンに触れることによっても同じようにかゆみが出る場合があるので、素手ではなくゴム手袋をして作業をしましょう。
シクラメン (Zimmer-Alpenveilchen)
- 毒性: シクラミン
- 症状:嘔吐・下痢・痙攣・皮膚炎・胃腸炎、重症の場合は死亡することもある。
毒は根や茎に含まれています。
冬の植物として、お庭や室内でも一般的に栽培されていますね。花や葉にも毒性があるようなので、小さいお子さんの手が届くところには置かないようにしましょう。
シャクナゲ (Rhododendron)
- 毒性: グラヤノトキシン
- 症状: 血圧低下、吐き気、視覚異常、呼吸困難、歩行困難
幼い頃に道でシャクナゲの密を吸った記憶がある人も多いのではないでしょうか?でも実は、その甘い密にも毒性があることが分かっています。密に含まれる有毒成分であるグラヤノトキシンは、昔はハエの殺虫剤としても使われていたのです。幸い毒性は弱く、症状の回復は早く、有効な薬もあるため死に至ることはあまりありません。
私のお庭を含めドイツのお庭にはよく咲いているシャクナゲ。見た目が華やかでつい蜜を吸ってみたくなる子供も多いはず。気をつけてあげたいですね。
レンゲツツジ (gelbe/orange Azalee?)
- 毒性: グラヤノトキシン、ロドジャポニン
- 症状: 嘔吐、痙攣、ふらつき、知覚過敏、歩行困難、起立不能、不整脈、呼吸困難
ツツジを漢字で書くと「躑躅」。「てきちょく」とも読み、「行っては止まる」「躊躇する」「足踏みをする」という意味があります。漢字の由来は、ツツジの葉を食べた羊が躑躅(てきちょく)して死んでしまったことからという説があります。
一般的なヒラドツツジとの違いは、色です。ヒラドツツジは白色や桃色、赤色、赤紫色のお花を咲かせますが、レンゲツツジは朱色または黄色の花を咲かせます。
まとめ
ドイツでよく見かけるお花。
まだまだたくさんありますが、道端や玄関先に咲いているパッと思いつくお花だけでもこれだけ毒性のあるお花がありました。
花を摘んだり、実を集めたりする事が大好きな子供達。
摘んだお花でおままごとをしたり、拾った木の実で戦いごっこをしてみたり。
そして、時には綺麗なお花を見つけるとすぐに摘んで「ママ、プレゼント♡」と言って渡してくれたりしますよね。ママにとってはとても嬉しいことですね。
子供が自然のお花や木の実に触れる事はとても良い事です。でも、触った手を洗わずに、口に入れてしまう事もあるかもしれません。なので、お花や木の実は綺麗なだけではなく、毒性があって危険な花や木の実もあるという事を子供にしっかり教えてあげられると良いですね。
そして、花を飾る時は飲食用のお椀やコップは使用しない、観賞用のお花も子供の手の届かないところに置くなど、日頃から心がけをしたいものですね。
お花好きのお子さんを持つママやパパにとって、少しでもお役に立てれば嬉しいです♪
今日もストレスレスな一日になります様に☆