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ブナの実(Bucheckern)って生で食べられるの?実は毒性があり危険です!

自宅の横が散歩道の我が家。

 

散歩道には夏になるとブラックベリーが実を出していたり、秋になるとヘーゼルナッツが落ちていたりします。そして、今道を覆っていて自転車で走ると転げてしまいそうなくらい落ちているのがブナの実(Bucheckern)。

ブナの実(Bucheckern)

 

その散歩道で自転車やランニングバイクを乗ったりしていたある日。長男君が口をモグモグしていました。おやつを外に持ってきているわけでもなく、何を食べているのかと思いきや『ブナの実』を「美味しい!美味しい!」と言いながら食していたのです。

 

そういえば、1、2年前からBucheckernが落ちているのを見ると、すかさず拾って美味しいと食べているんですよね。保育園の先生が「生で食べられるよ~。」と、森へお散歩へ行った時に教えてくれたんだそうです。

 

『Bucheckern』という名前もそれがどんな物なのかも、日本語でなんというのかも知らないまま過ごしていた私。あまりにも散歩道に落ちているので、ちょっとちゃんと調べてみようと思い、『ブナの実は、本当に食べられるのか?』について調べてみました。

 

そこで今回は、『ブナの実』についてまとめてみたいと思います。

 

生のブナの実(Bucheckern)は毒性あり

ブナの実(Bucheckern)

日本のサイトで調べてみると、ドイツの保育園の先生が言った通り『生で食べられます。』と出てきます。しかし、ドイツのサイトでは、毒性があり生食は控えるようにと注意を促しています。

 

ブナの実に含まれる毒性とは?

ブナの実には、健康に良いとされる様々なミネラルや鉄分、ビタミンが含まれていますが、その一方で毒性のある

  • Oxalsäure(硝酸)

          一部の野菜にも含まれるが、過剰摂取は結石の原因に。

          毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。

 

  • Blausäure(シアン化水素)

          猛毒の物質

          殺虫剤や化学兵器として使用される。

          動物にとっては致死性の毒物。

 

  • Fagin = Trimethyamin(トリメチルアミン)

          ガスボンベや40%水溶液として販売される。

          魚が腐敗した時の臭いの原因。

          食品の香料に使用される添加物。

          燃焼すると分解し、有毒ガス(亜酸化窒素)を生成。

 

が含まれています。その為、生のままでブナの実を沢山食べると、激しい腹痛や頭痛などの症状が現れます。

 

食べ過ぎると死に至る程の中毒症状も

沢山摂取する事で中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

中毒症状としては、

  • 頭痛
  • めまいやふらつき
  • 嘔吐
  • 耳鳴り
  • 呼吸困難
  • 息が苦いアーモンドの様な臭い

 

が挙げられます。少しだけ食べるのであれば、問題がない人が大半ですが、生で食べる際は食べる量に気をつけなければいけません。

 

子供は絶対に生で食べない事!

ブナの実(Bucheckern)

小さい子供は特に注意が必要です。子供の器官はまだ発達段階にあり、免疫力も弱く、本当に微量のBlausäure(シアン化水素)しか消化出来ません。なので、沢山食べてしまった後は上記の中毒症状が現れないか観察が必要です。

 

もし上記の様な症状が現れた場合は、直ぐに病院で診察してもらう必要があります。

 

美味しく食べるには

ブナの実は、

 

  • 焙る
  • 湯通しする
  • 粉にしてお菓子作りに使う

 

事で解毒されます。

 

実を焙るか湯通しする事で、熱を通して、シアン化水素とトリメチルアミンが解毒されるのです。なお、シアン化水素は、25度で蒸発してしまうので、焙ることや湯通しすることで、ブナの実に含まれる毒の含有量は、食べても健康に害を引き起こさない程度にまで引き下げられます。

 

また、殻から実を取り出し、フライパンの上で焙る事で、解毒されるだけではなく、香りが引き立てられ、さらに美味しくなります。

 

ブナの実を細かく刻んだり、粉にしてお菓子作りに使う際は、オーブンで焼く事で毒性はほぼなくなります。焼く前の生地を味見するのは避けましょう。

 

殻は固い…

ブナの実(Bucheckern)

とはいうものの、殻は硬くて実を取り出すのは少し難しいです。なので、熱湯をかけて、殻を柔らかくします。そうする事で、熱を通して解毒されると同時に殻から簡単に実を取り出せます。

 

焙たり、湯通ししたり、オーブンで焼いたりする事で、シアン化水素の含有量が減るだけではなく、トリメチルアミンや硝酸の毒性も無くなります。

 

まとめ

長男君に、「調べてみたら毒性があるみたいだから、拾って生では食べないでね。」と伝えると、「生で食べれるよ~。先生は森の事一杯知ってねんでー。ママ、嘘ついてる~。」なんて言われてしまいました。そして、その後の会話が⬇︎

 

私:「ネットに書いてたよー。」

長男君:「ネットも嘘かもしれへんやーん。ママは、いつもネットネット言ってる〜。」

私:「ドイツ語のネットやで😡」

長男君:「いや、食べれるねん!」

私:「ドイツ語やからパパに読んでもらってみッ!」

 

という押し問答が繰り返され、最終的に旦那さんが調べて長男君も渋々納得。

 

後から振り返ってみると、このやり取りどこかでしたことがある様な…

私が色々とネットで調べたことを旦那さんに言うと、いつも「どこからの情報?」「日本語サイト?」「ちゃんとした情報サイト?」云々言って、絶対に自ら調べないと納得しないのです。

 

旦那さんは職業柄、「最近はネットで情報が溢れているので、きちんとした情報源から情報を得ることを今の子供達は学ばなければならない。」と日頃から言っている通り、まさしく自分もその道を進んでいるのでしょう。

 

そんなやり取りを見ている長男君が、旦那さんの真似をして、私の言うことを素直には聞き入れてくれなくなってきたのです。トホホ…

 

ブナの実に関しては、日本語サイトでは毒性があるという情報はなかなか出てこなかったので、まさしく正しい情報源を見極める目を養わないといけないということですね。

 

ブナの実を大量に生で食べる人も多くはないと思いますが、子供には特に気をつけたいですね。

 

今日もストレスレスな1日になります様に☆