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聖マルティン祭でもらうドイツのパン・ベックマン(Weckmann)の正体

今年も到来聖マルティン祭。

ドイツのクリスマスシーズンの幕開けです。

 

今年も小学校と幼稚園でランタンを手作りし、ランタンを持って街中を歩いてきました。

 

そして、マルティンの逸話を聞き、最後にGripsenをしてきました。

今年も食べきれないほどの沢山のお菓子を頂き、子供達は大はしゃぎ。

 

聖マルティン祭ベックマン

(ここに写っているお菓子は約半分。3人分でももらい過ぎ〜笑)


長男君のお友達が落としたスマーティー(マーブルチョコ)を拾い食い・盗み食いして、最近甘いお菓子の存在を覚えてしまい、ついにチョコレートデビューを果たしてしまった2歳児の次男君。

 

張り切ってGripsenにも参加しておりました。お菓子一杯で重くなった袋を必死に運びながら、大はしゃぎしているその姿がもう可愛くて。今年は、2歳児の無邪気さがたまらないなぁ♡と再実感する親バカな聖マルティン祭となりました。

聖マルティン祭ベックマン

 

そんな聖マルティン祭。この時期になるとドイツのパン屋さんでは人間の形をして、パイプが飾られたブリオッシュ風味のパン、ベックマン(Weckmann)が売り出されます。

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(引用元: Ihr Bäcker Schüren )

 

地方によって異なるベックマンの呼び名

私の住んでいる地域では、聖マルティン祭の時にもらう人間の形をしたパンをWeckmann(ベックマン)と呼びます。

 

なので、ドイツ全土で同じ名前かと思っていたのですが、全国各地で色んな呼び名があるようで、『ベックマン』の呼び名マップを発見!

聖マルティン祭ベックマン呼び名

(参照元: Woher hat der Weckmann seinen Namen? | Duda.news)


一部の地域では、甘いレーズンパンのことをStuten(シュトゥーテン)と呼んだり、Weck(ベック)と呼んだりします。南ドイツでは、パンのことをWecken(ベッケン)と呼ぶそうです。

 

人間の形をしているので、その呼び名に男を意味するMann(マン)やKerl(ケァール)を付けてWeckmann(ベックマン)やStutenkerl(シュトゥーテンケァール)と呼ぶんですね。

 

ベックマンの種類

聖マルティン祭ベックマン

 

レーズンが入っているもの、入っていないもの、アイシングされているものがあれば、アイシングされてアーモンドスライスがのせられたものもあります。


生地にほんのりシナモンやスパイシーが入っているものもあり、パン屋さんによって少しずつ味が違うので、好みのパン屋さんを探すのも楽しいものです。

 

ベックマンの起源

実はニコラウスの日に食べるベックマン。

 

人間の形は、ミラの司教ニコラウスを象徴しています。ドイツでは第二のクリスマスと呼ばれる『聖ニコラウスの日』を12月6日にお祝いします。この日だけは特別なパンを食べさせてあげたいという思いから焼き上げたのがベックマン。中世には、ミサに行くことが許されなかった罪人や、ミサに行けない病人にユーカリスト(最後の晩餐を祝う聖餐式)の代わりにと、人間の形をしたパンが与えられました。

 

当時は貴重だったお砂糖とバターを使い、特別にブリオッシュのような甘いニコラウスを象徴する人間の形に焼き上げたWeckmann(ベックマン)。そして、本来はいや今も多くの州で12月6日『聖ニコラウスの日』にベックマンが食されます。

 

ベックマンを聖マルティン祭に食べるようになったのは…

ニコラウスの日に食べられていたベックマンが聖マルティン祭に食べられるようになったのはRheinland(ライン地方)、Ruhrgebiet(ルール地方)、Hessen(ヘッセン州)そしてRhein-Neckar-Region(ライン・ネッカー地方)。

 

18世紀にライン地方の人が聖ニコラウスの日まで待てない、少しでも早く子供たちに甘いパンをあげて喜ばせようと思ったのがきっかけだったようです。

 

司教杖がパイプに変わった諸説2つ

聖マルティン祭ベックマン

 

ニコラウスはいつも司教杖を持っていたことから、元々はベックマンにも司教杖が飾られていました。しかし、18世紀にパイプの飾りに変わったとされています。

 

司教杖を上下逆さにした様に見えるパイプが司教杖に取って変わった諸説は2つ。

 

諸説1

17世紀のカトリック教の宗教改革中に起こったとされるもの。この時期、オーブン粘土(ポリマークレイ?)で作られたパイプは人気があって実際に吸われていたようで、パイプ作り師も大忙しだったらしいです。

 

諸説2

司教杖を切らしたパン屋さんが、たばこ屋さんに入って目にしたものがオーブン粘土で作られたパイプ。「パイプは司教杖に似ている、よしパイプをつけよう!」と思いついたことから、司教杖がパイプに変わったとされているようです。

 

まとめ

聖マルティン祭ベックマン

聖マルティン祭辺りからクリスマス時期にパン屋さんにずらりと並ぶベックマン。

 

住んでいる地域の習慣・伝統が必ずしもドイツ全土の習慣・伝統ではないのは、どうやら日本の七五三のお祝いやひな祭りのお祝いと同じ様です。そして、単なる人間の形をしている甘いパンにも深い歴史があることを認識。

 

また1つドイツの異文化理解が深まりました。

 

これからクリスマスモードに入るドイツ。ドイツのパン屋さん巡りをして、自分好みの歴史深いベックマンを見つけるのも良いですね。(といっても味は普段売っているMilchbrotchen(ミルクパン)と変わらないんですけどね(笑)

 

今日もストレスレスな一日になります様に☆

 

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